中間利息控除(ちゅうかんりそくこうじょ)

中間利息控除は、逸失利益の金額を計算する際に行われる計算です。

逸失利益は、その賠償の性質としては,場合によっては将来数十年分の収入に対する補償ですが,実際的には示談成立時にまとめて支払われます。
そうすると,被害者側は将来受け取るべきだった収入に対する補填を,前倒しで受け取るような形になり、これを銀行などに預けたり運用したりすれば、利息を得ることも可能です。
そのため、逸失利益を先に受け取ったことで得られる可能性のある利息を、あらかじめ控除しておくことで被害者と加害者の間の公平を図るようになっており、これを中間利息控除と言います。
中間利息控除の計算には複数の方法がありますが、交通事故被害では複利計算のライプニッツ係数という数値を用いて計算するのが一般的です。

中間利息控除は原則として民法に定められた法定利率(2020年4月1日の法改正以前は5%、それ以後は3%)で行われますが、これらの利率はたとえ法改正後の3%であったとしても、現在の金利情勢からすると非常に高率であり、被害者にとっては受け取れる金額が実質的に大幅に目減りする結果となっています。
そのため、毎年定期的に賠償金を支払う定期金賠償などの方法も模索されている段階です。