素因減額(そいんげんがく)

素因減額とは、交通事故の被害者の精神的・身体的特徴や過去に患った病気などの影響で被害が拡大したことを理由に、慰謝料が減額されることです。
減額の要因は「心因的要因」と「身体的要因」の2種類に分けられ、両方を加味した上で慰謝料が減額されます。
心因的要因には、被害者の性格や精神疾患などが該当します。例えば精密検査で異常は見られないにもかかわらず、むち打ちの症状が必要以上に長引いたことを理由に慰謝料の減額されたケースがあります。身体的要因には、体質や過去に患った病気などが当てはまります。交通事故により被害者の沈静化していた椎間板ヘルニアが再発したことが、身体的要因による損害拡大だとされたケースがあります。ただし首が長いなどの身体的特徴や、年相応の老化現象などは要因として考慮されません。
素因減額は加害者側から提示されますが、それが正しいとは限りません。提示された減額の妥当性を判断するには、専門的な知識が必要です。