交通事故でケガをして痛みがある時は必ず病院で治療を受けましょう。治療が終わるまではケガを治すことを優先させてください。人身事故の場合、通院の仕方によってケガの回復や慰謝料の金額が変わってくることもあります。
ここでは、治療期間中の大切なことをご説明します。請求できる治療費なども確認しておきましょう。
ケガの治療で大事な4つのこと

交通事故後のケガの治療で大切なことは、「痛みがあったら必ず病院に行くこと」、「通院は健康保険を使うこと」、「継続して治療を受けること」、「整骨院に通院する際は医師の許可をもらうこと」の4つです。
ひとつずつ詳細を確認していきましょう。
1.必ず病院に行く
幸いにも重傷ではない場合は、事故後に自分で病院に行くことになります。
必ずすぐに病院に行って診察・検査を受けましょう。
「このぐらいの痛みなら大丈夫そう」と様子を見たり、すぐに行かなかったりする人もいますが、それは良くありません。
ケガを治すためには早めに診察を受け始めることが大切ですし、初診が遅くなると交通事故によるケガだと証明できず、治療費や慰謝料の請求でトラブルになることがあります。
2.健康保険を利用する
交通事故のケガの治療でも健康保険を使えます。
自分で一度治療費を建て替える場合、自由診療だと治療費が高額で負担が大きくなってしまうことがあります。
また、被害者にも過失がある場合、自由診療だと示談金で損をしてしまうこともありますので、できるだけ健康保険を使いましょう。
健康保険を利用して通院するメリットについて詳しくは、下記でご説明しています。
3.継続して治療を受ける
治療は、ケガの完治または症状固定を迎えるまでしっかり継続することが大切です。
医師の指示に従って通院を続けるようにしてください。
ケガが治ってきたからと自己判断で通院をやめてしまうのはNGです。
また、事故直後に診察を受けた病院が遠くて通院し続けることが難しい場合は、家の近くの病院に転院して継続して通院しましょう。
4.整骨院は許可をもらってから
むちうちなどでは、整骨院の施術が効果的なこともあります。
交通事故の治療で整骨院に通院することもできます。
ただし、整骨院への通院は医師や相手保険会社とトラブルになるケースもあるので、通院前に病院の医師に許可をもらうようにしてください。
整骨院への通院について詳しくは、下記をご覧ください。
仕事より通院を優先させるべき?

継続的な通院をすると、仕事を休まなくてはいけないこともあります。
「仕事を休めない」、「収入が減るから休みたくない」という方もいらっしゃるかもしれませんが、医師が治療の終了を判断するまでは仕事よりも治療を優先させてほしいです。
仕事も大切ですが、通院を疎かにして慰謝料が減ったりケガが完治しなかったりしたら、将来の生活に悪い影響が出てしまうかもしれません。
入院や通院で仕事を休んだことで減った収入は、休業損害として相手保険会社に請求することができ、減収分はしっかりと補償されますのでご安心ください。
仕事よりも治療を優先させてほしいのは、交通事故後の通院が次のようなことに影響してくるからです。
治療日数で慰謝料が変わります
人身事故では、ケガをしたことで受けた精神的な苦痛に対する補償として入通院慰謝料が支払われます。
この入通院慰謝料は、治療日数や回数などを使って金額を計算することになっています。
そのため、治療期間が長いほど高額の慰謝料が支払われるケースが多いです。
また、後遺障害申請を行う場合も治療期間が関係してきます。
通院期間が短いと後遺障害等級が認定されず、後遺障害慰謝料を受け取れない可能性があるのです。
たとえば、むちうちで後遺障害等級の認定を受けるためには、整形外科に週3日程度通院し、それを6ヶ月以上継続していたほうが良いとされています。
通院をやめると治ったと判断されます
交通事故によるケガの治療費は相手保険会社に支払ってもらうことができます。
しかし、治療費が無条件で支払われるわけではありません。
ケガの痛みなどがあり、治療の必要があるから治療費の支払いが認められています。
そのため、医師の指示に従わず途中で通院を止めてしまったり、たまにしか通院しなくなったりすると、保険会社が「ケガは治っている」と判断して、予定よりも早く治療費の支払いを打ち切ろうとする傾向があります。
治療費の支払いが打ち切られたら、その後の治療費は自己負担になります。
治療費の打ち切りで通院をやめるとケガが完治しない可能性も出てきてしまいます。
治療費の打ち切りについて詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
請求できる治療費
治療費 | 整形外科や整骨院でかかる治療費は、基本的には相手保険会社に請求可能です。 |
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通院交通費 | 通院時に電車やバスなどを利用した場合は運賃、車で通院した場合はガソリン代や駐車場代を請求できます。 |
治療器具の代金 | 松葉杖やギプス、コルセット、車椅子など、治療で必要だった器具の代金も請求可能です。 |
介護費用 | 被害者が入院して介護が必要な場合、通院する際に家族のサポートが不可欠な場合は介護費用を請求することができます。 |
入院雑費 | 入院生活の際に必要な日用品(ティッシュ、パジャマなど)の費用は、1日あたりいくらという形で支払われます。 |
人身事故では、治療費以外にも入院や通院に関係するさまざまな費用を相手保険会社に請求することが可能です。
治療費は、一度被害者が立て替えて保険会社に請求する場合と、病院が直接保険会社に請求する場合があります。
通院交通費は、公共交通機関を利用した際は支払われます。
通院にタクシーを利用する方もいますが、タクシー代は状況によって請求が認められる場合と認められない場合があります。
たとえば、「足を骨折して歩けず、タクシーがないと通院できない」などの事情があると、タクシー代が支払われる可能性があります。
このほか、改めて治療が必要だとわかっているような場合は、将来の治療費を先に請求しておくこともできます。
請求できる治療費の詳細は、下記をご覧ください。
治療中から弁護士に相談するメリット

ケガの治療や手続きに関してわからないことがあっても、聞く相手がいないケースもあると思います。
そのような時は、弁護士に相談をしてみましょう。
交通事故被害に取り組む弁護士は、「治療中の相談OK」としていることも多いです。
弁護士に相談することで治療や通院に関するアドバイスがもらえますし、必要な検査や慰謝料に目安などを聞くこともできます。
早めに信頼できる弁護士を見つけておくことで、後遺障害申請や示談交渉を依頼する際にスムーズに手続きを進めることができます。
治療を優先し、事故のケガを治しましょう
交通事故のケガが完治するまで(症状固定を迎えるまで)は、治療を優先させて、回復に努めてください。
その間に発生した治療に関係する出費や減ってしまった収入減などは、保険会社に請求をしましょう。
治療期間中の正しい対応が、ケガの完治や適性な示談金の受け取りに繋がります。