交通事故の見舞金の相場は?加害者から見舞金を受け取る際に注意すること

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交通事故の見舞金の相場と注意点

人身事故では、ケガをさせたことへの謝罪の気持ちとして加害者から被害者に見舞金が支払われることがあります。被害者としては、「見舞いは受け入れたほうがいい?」、「受け取ったら示談に影響する?」などわからないことや、見舞いを断りたいという気持ちもあるかと思います。
ここでは、見舞金の受け取りや相場、示談や刑事処分との関係、自分の保険会社から支払われる見舞金についてご説明をします。

加害者からの見舞金は受け取るべき?

交通事故の加害者が見舞金の支払いを申し出てきた場合、受け取るかどうかは被害者の自由です

後ほどご説明する点に気をつけていれば、見舞金を受け取ることに問題はありません。

入院時に加害者がお見舞いに来ることや、その際に見舞いの品を渡された場合も同じです。

いっぽうで「加害者を許せない」、「事故当時を思い出したくない」という気持ちが強ければ、見舞いや見舞金を断っても大丈夫です。

断る場合は、自分の自動車保険や弁護士などを通じて断ったほうが余計なトラブルは起きにくいでしょう。

見舞金を受け取る時に注意すること

加害者から見舞金を受け取る時はいくつか注意しておきたいことがあります。

示談交渉や加害者の刑事処分に関係することなので、見舞金を受け取ることに抵抗がない方も事前に把握しておきましょう。

見舞金を受け取る時の注意点

見舞金を示談金に含むか確認しましょう

被害者からしてみれば、見舞金と示談金は別のものと思うでしょう。

しかし、加害者の考えは確認しておかなければわかりません。

見舞金を示談金の一部だと思っている可能性があり、認識のズレがあると示談交渉の際に示談金から見舞金分が差し引かれてしまう可能性があります。

また、見舞金が示談金で「見舞金を受け取ったから示談をした」と主張されてしまう可能性もゼロではありません。

見舞金を受け取る前に、示談金に含めるか含めないか話しておくことを忘れないでください。

見舞金に相場はない

交通事故の見舞金は加害者の被害者に対する誠意のため、示談金のような相場はありません。

相場が決まっていないからこそ、受け取る金額には注意しましょう。

見舞金があまりに高額だと、先ほどお伝えしたように「見舞金は示談金の一部だった」となる可能性があります。

また、被害者から加害者に法外な金額の見舞金を請求することは、余計なトラブルの種になりますのでやめてください。

金額に納得できないなら、慰謝料請求の際にきちんと増額交渉をしましょう。

見舞金が刑事処分に影響することも

被害者が加害者からの謝罪を受け入れると、加害者の刑事罰が軽くなる可能性があります

交通事故では、示談をすると刑事罰が軽くなることがありますが、見舞金の受け取りも刑事処分に影響する可能性があります。

加害者が刑事罰を受けることを希望する場合は、このことを理解した上で見舞金を受け取るか判断しましょう。

搭乗者傷害保険からも見舞金が支払われる?

加害者からの見舞金とは別に、自分の自動車保険で搭乗者傷害保険に加入していれば、保険会社から見舞金が支払われる可能性があります。

金額は入院や通院の期間、症状の程度などによって変わりますので、保険会社に確認してください。

搭乗者傷害保険で支払われる保険金は、人身傷害保険の保険金や相手保険会社から支払われる示談金には関係せず、受け取っても保険の等級は下がりません。

安心して保険会社から見舞金を受け取ってください。

見舞金は交通事故後の出費に充てるなど有効活用を

事故直後は収入が不安定になることや、出費がかさむこともあります。

見舞金を生活費に充ててお金の不安を解消するのも、事故後の生活を守るための選択肢です。

見舞金を受け取るべきか、見舞金を受け取って後でトラブルにならないか確認したうえで、自分にとって良い判断をしましょう。

交通事故にあった直後は治療費の立てかえなどで出費がかさむことも多いですし、ケガで仕事を休み、収入が減ってしまうこともあります。

加害者からの見舞金を受け取る場合は、事故後の生活費に充てるなど、ご自身の生活のために上手に活用していきましょう。