高校生や大学生が交通事故にあうと、入院や通院、痛みなどで学校を休むことになり、アルバイトをしている場合、ケガをしている状態では働くことができません。学校の欠席が続くと、進級や卒業、就職も心配になります。
このような影響を休業損害としてどこまで請求できるのか確認していきましょう。
学生は休業損害を請求できる?
学生にとっては学校に行けないことは大きな損害です。
しかし、学校を休んだだけでは、休業損害は支払われないことが多いです。
休業損害は、交通事故によるケガなどが原因で収入が減った場合に支払われる補償で、学校を休んでも収入が減るわけではないからです。
しかし、欠席が長期間に渡る場合や、交通事故以前にアルバイトをしていた場合などは休業損害が支払われることがあります。
ただし、保険会社は「学生だから休業損害はない」と、学生の休業損害を含めずに示談提示してくることが多いので、アルバイトをしている学生の方は金額提示の際にお気をつけください。
アルバイトを休んだ際の休業損害
学生がアルバイトの休業損害を請求できるのは、継続して収入を得ていたような時です。
不定期で日雇いのアルバイトをしていただけでは請求できないこともあります。
アルバイトの休業損害を請求する場合、裁判基準では上記のうち、いずれかの計算式で金額を算出します。
休んだ時間、時給が明確な場合(決まっていたシフトを休んだなど)は、上の計算式を使い、働けなかった時間のバイト代を請求します。
正確な日数がわからない場合は、下の計算式を使い、過去の収入と休業日数(アルバイトに復帰するまでにかかった日数)から金額を計算します。
金額を計算する際は、休業損害証明書や源泉徴収票などが必要です。
また、日給が6,100円(自賠責保険で決められた休業損害の日額)を下回る場合は、日給を6,100円まで引き上げて計算することができます(2020年3月31日までに発生した交通事故の場合は日額5,700円)。
ただし、計算式で出てきた数字がそのまま休業損害として支払われるとは限りません。
学生の場合、試験や夏休みなどで出勤日数や収入が変わるため、季節要因を考慮して休業損害の金額を決めていきます。
アルバイト以外の収入がある場合は?
アルバイト以外で収入を得ている学生も増えています。
ブログやSNS、Uber Eats、Youtuberなど、個人で収益を得ている学生や、すでに起業をしている学生もいるでしょう。
このような場合でも、事故以前に継続的に収入を得ていれば休業損害を請求できる可能性があります。
ただし、ケガをしていても収入が変わらないようなケースでは、請求が難しいこともあります。
学校を休んだ際の休業損害
学校を休んだだけでは、休業損害は支払われないと、はじめにお伝えしました。
ただし、交通事故が原因で進級や卒業、就職などに影響があった場合は、休業損害を請求できる可能性があります。
学校を休んだ際の休業損害
交通事故によるケガや治療などで学校を休み、留年をしてしまった場合などは、留年したことで発生する授業料を請求できる可能性があります。
就職が遅れた際の休業損害
ケガの治療が長期間になり、就業開始の日にちが遅れたり、遅れたことが原因で内定を取り消されたりすることもあります。
このようなケースでは、予定していた給与額が休業損害で支払われる可能性があります。
妥当な慰謝料を受け取るなら弁護士に相談!
アルバイトの収入減や余分な授業料は補償される可能性がありますので、諦めずに請求しましょう。また、留年や就職の遅れは、その先の人生に大きく影響する可能性があります。
これらは交通事故による損害ですので、休業損害を請求していきましょう。
学生の休業損害は、保険会社の食い違いが多く、計算が複雑になりがちで、休業損害の支払いを提案してもらえないことも多いです。
妥当な休業損害や慰謝料が認められるように弁護士のサポートを受けながら示談交渉を進めていきましょう。